仮想水とは

仮想水とは

農産物や畜産物の生産にはそれに応じた水の量が必要で、農産物や畜産物の輸入に伴って購入者が間接的に水を消費したことになる。つまり輸入することによって本来自国で生産した場合に必要だった水を節約できたことになる。

 

この輸入することによって節約することが出来た水資源を仮想水(virtual water:ヴァーチャル・ウォーターともいう)と言う。輸出している国ではその農産物を生産するために水を消費していることになる。

 

この理論を打ち出したのがロンドン大学のアンソニー・アラン(Anthony Allan)である。
日本では、東京大学の沖大幹助教授が直接水(輸出国側で生産に使用された水の量)と間接水(同じ産品を輸入国側で生産に必要な水の量)と区別してこの仮想水の輸入(移動)は、水資源の節約や自給率向上を如何に水資源の足りない地域で実現出来るかを議論する時に使用される場合が多い。

 

世界の水の使用量は、工業に2割、生活に1割、残り7割が農業となっていて、農産物には多くの水を要することが分かる。

 

 

△もっと知りたいエネルギー・環境トップページへ戻る

深刻化する水不足

食パン1斤を作るのに必要な水の量は500〜600 リットルで、ステーキ200グラムでは約4000リットルの水の量が必要とされる。
東京大学の沖大幹助教授らが推計した結果では、日本国内での総水資源使用量約900億立方メートル/年の2/3が仮想水の総輸入量(約640億立方メートル/年)となっている。その中でもアメリカからのが多く、約6割を輸入している。

 

■仮想水の輸入
水資源が不足する国々にとっては、仮想水の輸入は水を確保するための選択肢の一つである。中東やアフリカの諸国は、農産物の輸入を通じて国内で不足しがちな水資源を仮想水の輸入で補っている。

 

しかし、仮想水を輸入すると食料自給率を低下させてしまう。アメリカやヨーロッパからの低価格の農産物は、輸入する国の国内農業を破綻に追い込み、失業問題を生む危険もある。

 

■仮想水の輸出
仮想水を輸出すると水資源を消費する。つまり、水資源を消耗している。
水資源の限られている国が農産物や畜産物を輸出するとそれに応じた大量の水資源を消耗することになる。無尽蔵の水資源を有するわけではないので、地下水の枯渇や河川の断流が起こりつつある。

 

 

△もっと知りたいエコ・環境トップページへ戻る